コラム
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こんにちは。つねかわ内科・ハートクリニックです。
「狭心症でカテーテル治療を受けました。もう治ったので、これまで通り生活して大丈夫ですよね?」
診察をしていると、このように尋ねられることがあります。
確かに、カテーテル治療によって狭くなった血管を広げることは、心筋梗塞や狭心症の治療において非常に重要です。
しかし、ここで忘れてはいけないことがあります。
カテーテル治療は、心臓病治療の「ゴール」ではなく、「スタート」でもあるのです。
治療によって血管を広げても、動脈硬化そのものがなくなったわけではありません。
そこで重要になるのが、今回ご紹介する**「心臓リハビリテーション(心リハ)」**です。
カテーテル治療をしただけでは「病気の原因」はなくならない
狭心症や心筋梗塞の原因となる動脈硬化は、
・高血圧
・糖尿病
・脂質異常症
・喫煙
・肥満
・運動不足
・加齢
など、さまざまな要因が長年積み重なって起こります。
カテーテル治療では、狭くなった血管を広げることができます。
しかし、
「血管を広げた=動脈硬化が治った」
というわけではありません。
そのため、治療後に
「薬を飲む」
「血圧・コレステロール・血糖を管理する」
「禁煙する」
「食生活を改善する」
「適切な運動を続ける」
ことが非常に重要になります。
そして、これらを安全かつ効果的に行うための方法の一つが心臓リハビリテーションです。
心臓リハビリテーションは「運動するだけ」ではありません
「心臓リハビリ」と聞くと、
「心臓病の人が運動するだけでしょう?」
と思われるかもしれません。
実際には、それだけではありません。
心臓リハビリテーションでは、
① 運動療法
安全に運動することで、体力・筋力を回復させます。
② 生活習慣の改善
食事、体重、禁煙などについて見直します。
③ 再発予防
血圧、脂質、血糖などを適切に管理します。
④ 病気について学ぶ
自分の病気を理解し、再発を防ぐための生活を身につけます。
つまり、
「心臓病になった後、再び元気に生活するための総合的なリハビリテーション」
なのです。
心リハをもっと身近なものに
実は日本では、心臓リハビリテーションが十分に普及しているとは言えません。
一方、神奈川県では心臓リハビリテーションをより多くの患者さんに利用してもらうため、地域全体で普及を進める取り組みが行われています。
これは非常に重要な考え方だと思います。
心臓病になった患者さんが、
「心リハというものがあることを知らなかった」
「主治医から勧められなかった」
という理由で、必要なリハビリを受けないままになってしまうことがあるからです。
私たちも、心臓リハビリテーションをもっと身近なものにしていきたいと考えています。
特に女性こそ「運動」を
心臓病というと、「男性の病気」というイメージを持っている方もいるかもしれません。
しかし、女性にとっても運動習慣は非常に重要です。
特に女性は閉経後に生活習慣病や心血管疾患のリスクが上昇していきます。
運動には、
・体力をつける
・筋肉を維持する
・血圧を改善する
・血糖を改善する
・脂質を改善する
・体重を適正に保つ
など、さまざまな効果があります。
さらに、運動によって「自分で動ける体」を維持することは、フレイルや要介護状態の予防にもつながります。
「心臓病になってから運動する」のではなく、
「これからも元気に生活するために運動する」
という発想が大切です。
一人で運動するより「誰かと一緒に」
運動を始めても、
「最初は頑張ったけれど、いつの間にかやめてしまった」
という経験はありませんか?
運動を長く続けるためには、運動そのものだけでなく、一緒に運動する人がいることも大切です。
家族や友人、パートナーと一緒に歩く。
あるいは、同じように健康を目指す人たちと運動する。
それだけでも運動を続けるきっかけになります。
心臓リハビリテーションには、単に身体を鍛えるだけではなく、
「定期的に通って運動する場所がある」
という意味もあります。
「少しきつい運動」には大きな意味があります
最近では、健康な人を対象とした研究だけでなく、心血管疾患の患者さんにおいても、適切な強度の運動によってより大きな運動効果が得られる可能性が注目されています。
ただし、ここには重要な注意点があります。
「運動は強ければ強いほど良い」という意味ではありません。
心臓病の患者さんや高齢者が、自己判断でいきなり高強度の運動を行うことには危険が伴います。
運動中に、
・狭心症症状
・不整脈
・血圧の異常な上昇・低下
・息切れ
・めまい
などが起こる可能性があるからです。
だからこそ、
「安全を確認した上で、適切な強度で運動する」
ことが重要です。
心臓リハビリなら「頑張りすぎ」も「物足りなさ」も防げます
心臓リハビリテーションでは、患者さんの病気や体力に合わせて運動強度を設定します。
そして運動中は、
看護師などの医療スタッフが状態を確認しながら運動を行います。
「自分ではどのくらい運動していいのかわからない」
「心臓病があるので運動するのが怖い」
「一人で運動する自信がない」
という方にとって、医療スタッフの見守りのもとで運動できることは大きなメリットです。
もちろん、すべての患者さんに高強度運動が適しているわけではありません。
その方の病気、年齢、体力、治療内容などを考慮し、
「安全にできる範囲で、できるだけ効果の高い運動」
を目指すことが大切です。

こんな方は心臓リハビリをご検討ください
心臓リハビリテーションは、特別な人だけが受けるものではありません。
例えば、
● 心筋梗塞・狭心症の治療を受けた方
カテーテル治療後の体力回復と再発予防に。
● 心不全で入院したことがある方
体力を回復し、再入院を防ぐために。
● 心臓手術を受けた方
手術後の体力回復を目的に。
● 「運動した方がいい」と言われている方
でも、一人で運動するのが不安な方に。
● 運動不足を解消したい方
生活習慣病や心血管疾患の予防を目的として。
特に、
「心臓病があるけれど、どこまで運動していいのかわからない」
という方には、心臓リハビリテーションという選択肢があることを知っていただきたいと思います。
カテーテル治療を受けた方へ
もしあなたが、
「カテーテル治療が終わったから、もう大丈夫」
と思っているなら、一度考えてみてください。
カテーテル治療で血管を治療した後こそ、
「なぜ自分が心臓病になったのか」
を考えることが大切です。
そして、
「もう一度、同じ病気にならないために何ができるか」
を実践していく必要があります。
そのための重要な手段の一つが、心臓リハビリテーションです。
心臓病の治療は「治して終わり」から「元気に生きる」へ
これからの循環器診療では、
「血管を治す」
「心臓を治す」
だけではなく、
「その後、患者さんが元気に生活できるようにする」
ことがますます重要になると考えています。
心臓病を患ったからといって、運動や外出をあきらめる必要はありません。
適切な運動を続けることで、体力を取り戻し、以前より活動的な生活を目指せる場合があります。
そして、そのための一つの選択肢が心臓リハビリテーションです。
「心臓病があるから運動できない」から「心臓病があるからこそ安全に運動する」へ
当院では、医療スタッフが患者さんの状態を確認しながら、心臓リハビリテーションを行っています。
「カテーテル治療後、何をすればいいのかわからない」
「心不全で入院した後、体力が落ちてしまった」
「運動したいけれど、一人では不安」
「これからも元気に歩ける体を維持したい」
このような方は、一度ご相談ください。
心臓病の治療は、カテーテル治療や薬だけで終わりではありません。
治療したその先にある、
「再発を防ぎ、体力を取り戻し、これからも自分らしく生活すること」
まで一緒に考えることが、私たち循環器内科医の役割だと考えています。
つねかわ内科・ハートクリニックでは、心臓リハビリテーションを通じて、患者さんの「健康寿命を延ばす」お手伝いをしています。
心臓病の治療後の生活や運動について気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
