コラム
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こんにちは。つねかわ内科・ハートクリニックです。
前回のブログでは「フレイル(虚弱)」についてお話ししました。
フレイル予防というと、「運動を頑張りましょう」というイメージが強いかもしれません。しかし実際には、筋肉は運動だけでは増えません。適切な栄養摂取があって初めて筋肉や体力が維持されます。
近年、高齢者医療では「食べること」そのものが治療やリハビリの重要な一部と考えられるようになっています。
今回は、高齢者の食事と病気の関係についてお話しします。
高齢になると「低栄養」が大きな問題になる
高齢になると
- 食欲が落ちる
- 歯が悪くなる
- 飲み込みにくくなる
- 一人暮らしで食事が簡単になる
- 病気で活動量が減る
などの理由で食事量が減少しやすくなります。
その結果、
- 筋肉量減少(サルコペニア)
- フレイル
- 転倒
- 骨折
- 認知機能低下
- 入院
- 要介護
につながることが分かっています。
特に注意したいのは、体重が減っていても本人が気づいていないケースです。
「最近ズボンが緩くなった」
「以前より疲れやすい」
という変化は低栄養のサインかもしれません。
「食べること」はリハビリでもある
最近では「食べるリハビリ」という考え方が注目されています。
単に栄養を摂取するだけでなく、
- しっかり噛む
- 飲み込む
- 食事を楽しむ
- 家族や友人と会話しながら食べる
こと自体が身体機能や認知機能の維持につながると考えられています。
食事は栄養補給だけではなく、
口腔機能、筋力、認知機能、社会参加を支える重要な活動なのです。

高齢者の糖尿病治療で気を付けたいこと
糖尿病の患者さんでは
「血糖値を下げなければいけない」
という意識が強くなりがちです。
しかし高齢者では血糖値だけを追いかける治療が必ずしも最優先ではありません。
近年の研究では、
- 十分なたんぱく質摂取
- 適切な運動習慣
が筋力維持に重要であることが示されています。
特に高齢者では筋肉量の維持が健康寿命に直結します。
糖尿病治療薬の中には体重減少を伴う薬剤もあり、患者さんの体格や筋肉量を考慮しながら治療方針を決める必要があります。
当院でも高齢の糖尿病患者さんでは、HbA1cの数値だけを見るのではなく
- 体重変化
- 筋肉量
- 運動習慣
- 食事内容
を含めて総合的に評価しています。
たんぱく質はしっかり摂れていますか?
筋肉の材料になるのはたんぱく質です。
以下の食品を毎日の食事に取り入れましょう。
- 魚
- 肉
- 卵
- 豆腐・納豆などの大豆製品
- 牛乳・ヨーグルト
高齢になると「肉は胃にもたれるから」と避ける方もいますが、筋肉維持のためには重要な栄養源です。
1回の食事だけでなく、朝・昼・夕と分けて摂取することが理想的です。
魚を食べることは脳の健康にもつながる
近年注目されているのがオメガ3脂肪酸です。
サバ、イワシ、サンマなどの青魚に多く含まれています。
研究では、
- オメガ3脂肪酸
- 高たんぱく食
- 過度な糖質摂取を避けた食事
が認知機能低下の予防に役立つ可能性が報告されています。
もちろん「この食品を食べれば認知症を防げる」というわけではありませんが、
魚を中心としたバランスの良い食事は、
- 心筋梗塞
- 脳梗塞
- 認知症
の予防にもつながる可能性があります。
循環器内科としても積極的におすすめしたい食習慣です。
当院では「数値だけでなく元気さ」を大切にしています
高血圧、糖尿病、脂質異常症などの治療では、検査結果の改善ももちろん重要です。
しかし高齢者医療では、
「元気に歩けること」
「自分で食事ができること」
「趣味や旅行を楽しめること」
も同じくらい大切です。
当院では血圧や血糖値だけでなく、
- 体重変化
- 筋力低下
- フレイル
- 栄養状態
にも目を向けながら診療を行っています。
まとめ
高齢者では「食べること」が健康寿命を左右します。
- しっかり食べる
- しっかり動く
- しっかり筋肉を維持する
この3つがフレイル予防の基本です。
血糖値やコレステロールの数値だけにとらわれず、“食べる力”と“動ける体”を守ることが、これからの高齢者医療でますます重要になります。
最近、体重減少や食欲低下、筋力低下が気になる方は、お気軽に当院へご相談ください。健康寿命を延ばすためのお手伝いをさせていただきます。特に心臓の病気で治療を受けている方であれば心臓リハビリテーションを提案させていただくことも可能です。
