コラム
columnコラム
最近、「ウゴービ」や「マンジャロ」といったGLP-1受容体作動薬を体重を減らす目的で使用する医師や患者さんが増えてきました。
確かにこれらの薬は、ダイエットがなかなかうまくいかない方にとって強い味方になることもあります。
でも、ちょっと待ってください。
薬だけに頼った減量には、大きな落とし穴があるんです。
📉 薬をやめたら、体重が戻る?
海外の複数の研究(STEP4試験やSURMOUNT-SWITCH試験など)で、薬を使って大きく体重を減らした後に中止した人の多くがリバウンドしていることが分かっています。
たとえば…
- ウゴービ(セマグルチド)をやめた人の平均リバウンド:6〜7%の体重増加
- マンジャロを使っていた人も、やめると脂肪が再びつきやすくなる傾向
つまり、薬で一時的にやせても、それは**「維持できる体」になったわけではない**ということなんです。
🔥 なぜリバウンドするの?
薬によって食欲が抑えられている間は、自然と食事量が減り、体重が落ちます。
でもやせた体は、もともとの体重に戻ろうとする“ホメオスタシス”の力が働きます。
さらに、
- 減量中は筋肉も落ちてしまいがち
- 筋肉が減ると基礎代謝(エネルギー消費量)が低下
- そのまま薬を中止すると、食欲は戻るのに燃費の悪い身体に
結果、以前よりも脂肪がつきやすくなってしまうのです。
🚶♀️ 本当に大事なのは「生活習慣」
薬を使うこと自体が悪いわけではありません。
ただ、薬は**「生活習慣を整えるための補助輪」**であって、自転車そのものではありません。
以下の習慣こそが、長期的に体重や血糖値、脂質などをコントロールする鍵です:
- 🍽 食事のバランス:加工食品を控え、野菜・たんぱく質をしっかりと
- 🏃♂️ 筋トレと有酸素運動:週に合計150分以上の運動を目指して
- 😴 質の良い睡眠:7時間前後を安定して
- 📉 ストレス管理:暴飲暴食や不眠の引き金に注意
🩺 医師として伝えたいこと
薬を使う・使わないは人それぞれですが、
薬だけで減量し、生活習慣を変えないままだと、必ず体は元に戻ろうとします。
だからこそ、「薬でやせる」ではなく「やせやすい生活を作る」ことが最優先。
その上で、必要に応じて薬の助けを借りるのがベストな方法です。
✨ まとめ
❌やってはいけない | ✅やるべきこと |
---|---|
薬に頼って生活習慣はそのまま | 食事と運動を整えて「やせやすい体」に |
減量後すぐ薬をやめる | 減量後も維持期として生活改善を継続 |
体重だけを目標にする | 体脂肪・筋肉・代謝も意識する |
「本気で変わりたい」と思ったら、
薬ではなく生活そのものを見直してみませんか