コラム

  1. HOME
  2. >
  3. コラム
  4. 心電図異常 左室低電位 左室高電位 左室肥大

columnコラム

2025.02.11

心電図異常 左室低電位 左室高電位 左室肥大

引き続き健康診断での心電図異常についてです。今回は心臓の筋肉に問題があるケースに出る心電図異常です。

左室低電位は心臓を動かす刺激が元気がないときにでることがある波形です。心臓の筋肉がむくんでいる、心臓の周りに水が溜まっている、そのような場合に出ることがあります。心臓超音波検査を行って、画像を確認します。心臓とは別の原因で、甲状腺機能低下がある場合にもそのような変化が出ることがあるので、採血検査で甲状腺機能の確認を行うこともあります。

左室高電位、左室肥大は心臓の壁が分厚くなっているときに出ることがある波形です。心臓の筋肉自体に原因があって分厚くなってしまう場合もありますし、心臓の弁(血液を一方通行にするためのドア)が開きが悪いことが原因のこともあります。こちらも心臓超音波検査を行って本当に分厚くなっているかの確認を行うとともに、原因になるものがないかを調べていきます。

余談ですが、「心臓肥大」と「心臓拡大」はイコールではありません。心臓が大きくなっていることを「心拡大」、心臓の壁が分厚くなっていることを「心肥大」といいます。胸部レントゲン写真で心臓が大きいことを心肥大と勘違いされている方(医者の中にもいますね)がいますが、レントゲンでわかるのは心拡大であって、心肥大ではありません。

いずれも本当に病気があっての心電図変化だった場合は放置すると心不全の原因になったり、不整脈の原因となったりすることもあります。異常がないことが多いですが、健診で初めて指摘された場合はぜひ検査を受けてみてください。心臓超音波検査だけの場合は当日結果説明ができます。

前のページへ戻る