コラム
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人は誰でも年を取ります。年齢を重ねれば徐々に心身が老い衰えるのは避けられません。「加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能等)が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響もあり、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態であるが、一方で適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態像」をフレイルといいます。
フレイルに陥って適切な介入が行われなければ要介護状態になる可能性が高まります。逆を言えば、適切な介入を行えば、健康状態に戻ることも可能です。
- 体重減少(6月間で2㎏以上の意図しない体重減少がある)
- 疲れやすい(ここ2週間、わけもなく疲れたような感じがする)
- 歩行速度の低下(通常歩行速度が秒速1.0m未満:5mを歩くのに5秒以上かかる)
- 筋力の低下(握力が男性28㎏未満、女性18㎏未満)
- 身体活動量の低下(軽い運動・体操、定期的な運動・スポーツをしていない)
上記のうち、3項目以上を満たすとフレイルになったとされます。
では適切な介入とは何でしょうか。フレイルの原因は筋肉量の低下と低栄養とされています。食事でしっかりタンパク質の摂取していくことが重要ですし、運動も非常に重要となります。
2024.08月に筑波大学より「フレイル予防におすすめの運動」という報告がされました。これによりますと、男女とも「登山・ハイキング」「散歩・ウォーキング」「テニス」「グラウンド・ゴルフ」「筋トレ」の5種目の実践者では、非実践者よりも、3年後にかけて基本チェックリストの点数が良好に推移していました。これに加え、男性では「ダンス」「サイクリング」「水中運動」「ゴルフ」「卓球」「ランニング・ジョギング」を含めた計11種目、女性では「体操」「太極拳」「水泳」を含めた計8種目において、それぞれの非実践者よりも基本チェックリストの点数が良好に推移していました。
これを見てみると、人と会話しつつ体を動かす運動が有用な印象を受けます。健康のためにもコミュニケーションをよく取りながら、しっかり身体を動かしていきましょう。心臓リハビリテーション適応がある方で自分だけでは運動していく自信がない方はぜひ声をかけてください。