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2024.07.07

高血圧の基準が変わった? 答え 変わってません。

先日患者様から「高血圧の基準が変わったんですよね?」と質問されました。答えは変わってません。

あまりニュースにならなくて驚いていますが、特定健診結果で今までは血圧140以上の方が直ちに医療機関を受診するように、となっていたものが、令和6年度より以下のようになっています。

1)収縮期血圧が160mmHg以上 もしくは 拡張期血圧が100mmHg以上 → すぐに医療機関受診を

2)140mmHg<収縮期血圧<160mmHg もしくは 90mmHg<拡張期血圧<100mmHg → 生活習慣を改善する努力をしたうえで数値の改善がなければ医療機関に受診を

あくまでも受診を勧める値が変わっただけで、厚生労働省が出している標準的な健診・保健指導プログラム令和6年度版においても高血圧の定義は変わっておりません。

日本高血圧学会でもこちらに対しての声明をだしています。https://jpnsh.jp/data/202405-level.pdf

確かに健康診断等で血圧を測ると、緊張される方は血圧が上がってしまうこともあります。僕は健康診断で高血圧を指摘された方で、家庭血圧を測ってない方は生活習慣の指導を行ったうえで、家庭血圧を測っていただき、そちらの値が本当に140を超えているなら投薬を勧めるようにしています。

今回の改定はおそらく医療費の高騰に少しでも歯止めをかけようとしているのかな、と思いますが、治療するべき高血圧の方が受診しなくなってしまうことが心配です。

繰り返しになりますが、高血圧の定義自体は変わっておらず収縮期血圧が140mmHgを超える、もしくは拡張期血圧が90mmHgを越えた時点で高血圧の診断になります。

あくまでも統計学的データに基づくのでなんでも絶対ではないですが、やはりこの値を超すと有意差を持って心血管イベント等動脈硬化性疾患のリスクが上がるため、健診で引っかかったら一度受診してもらった方がいいと思います。

ここからは過激な発言です。興味ない方はここでページを閉じましょう。

よいですね。

今回、いろいろ血圧の勉強をしてみましたところ、高血圧についての意見を述べられている先生が多数いらっしゃいました。そんな中、血圧を下げないほうがいい、という意見を述べられている先生もおみえになります。その先生のお話を読んでみましたが、なんとまあ・・・。そういうケースもあるわね、ということを得意げに語られており、その結果血圧は下げる必要がないとのことです。「なんとかサプリを飲んだら癌が治った」と同じようなもんですね。しかもご専門は内科ではありません。その先生のご意見に従い、結果心筋梗塞を起こしても、その先生自体は治療は絶対にしません、というかできません。内科にいってね、というだけです。そのような無責任な人の意見を参考にするのは、僕はお勧めしませんね。

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