コラム
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循環器内科外来をやっている際に患者様から動悸の相談を受けることがあります。
正直に申し上げますと、「動悸がする」と言われただけで病気がわかる人はいないです。具体的にどのような症状を患者様が「動悸」と感じられているか、それを教えていただければわかりやすいです。その際に、自分の脈がどんな感じだったかがわかれば、とても助かります。
脈を調べるには、親指側の手首で、筋張ったところのやや上を触るとわかりやすいです。
どくんどくんと拍動を感じると思いますが、それがあなたの脈拍です。
正常の心拍数は1分間に60-100回です。1秒に1回拍動を感じられればまず正常です。ただ回数だけではなく、規則性も重要です。規則正しく1秒に1回程度脈を感じられれば、あなたの動悸は病気じゃない可能性が高いと思います。
1)規則正しいが時々脈が打たないときがある、もしくは間隔が違うタイミングで打つ:期外収縮の可能性があります。
2)規則正しく早く打っている:頻脈性不整脈の可能性があります。
3)全くバラバラで打っている:心房細動の可能性があります。
4)動いているときは感じないが、テレビを見たり、横になったり、ぼーっとしている時、規則正しい拍動で、かつそれほど早くない:自分の鼓動を感じているだけの可能性が高いです。
いずれにせよ、お話をきくだけでは不十分で、心電図をとったり、24時間心電図で調べることで治療が必要なものか、定期的に検査を受けるだけでよいのか、はたまた何もする必要がないか判断するのですが、不整脈の場合は症状がない時の心電図をとっても役に立たないことがあります。自分でおかしい、と思った際は一度脈を調べる癖をつけていくとよいと思います。ぜひ自分の脈がわかるようになってください。